令和8年度 補助金の動向(概算要求から予測する)成長路線の模索

概算予算請求の見方 相談事例
令和8年の補助事業について

令和8年度の中小企業庁の予算案の全体方向性

中小企業庁のホームページに令和8年度の概算要求のポイントについて発表がありました。

令和8年度の要求金額は昨年度より78億円ほど多く請求していますね。前回は「補助金バブルの終焉」とサブタイトルをつけましたが、今年の要求内容を見ると、成長路線を模索している点が伺えます。成長する企業には手厚くするメッセージが読み取れます。経営者の方に向けて、補助金に加えて経営戦略にどう活用するかといった視点に踏み込んで解説しています。

中小企業生産性革命推進事業|主要補助金は継続

”【2】持続的賃上げ実現に向けた生産性向上を含む中小企業の成長支援”に記載されいた成長加速化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金、中小企業新事業進出促進事業などは、こちらは変更なしですね。つまり、例年通りの回数と採択率といったところでしょう。ただ、生成AIなどが登場したことによりコンサルタントと同じレベルの事業計画はだれでも書くことができるので、しっかりと裏付けのある事業アイデアと加点を事前にどれだけ準備できるかにかかっています。これらは、戦略的に取っていきたいですね。一つ一つ、コンサルタントに頼んでいたら補助金ではたりないので、生成AIと支援機関などをうまく使って自力でできるようにしていきましょう。

もう一つ同じ枠に書かれていた中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業、よろず支援拠点の費用が80億円(令和7年度34億円)から倍増です。生産性向上支援センター(仮称)なるものが設置されるようですね。商工会・商工会議所もあって、よろず支援拠点もあって、さらに生産性向上支援センターが増えるので、支援先の取り合いにならないかなと不安になります。生産性活用の支援となると来年は生成AIのセミナーがはやるかもしれませんね。

成長投資重視への転換|中堅・中小大規模成長投資補助金

コロナ禍の象徴だった「事業再構築補助金」はなくなり、前回から「中小企業生産性革命推進事業」の枠組みの中に「中小企業新事業進出促進事業(新事業進出補助金)」に統合、財源も【既存基金の内数】となっています。 令和6年度の補正予算として実行されている「中堅・中小大規模成長投資補助金」 は国庫債務負担3000億円と大規模で注目されていますが、本年度の当初予算要求額が60億円で、令和7年度(予算8.7億円)から増額しており象徴的です。

「中堅・中小大規模成長投資補助金」

この補助金ですが、投資額の下限が10億円と事業費も大きく、補助率が1/3なっているので、診断士が単独で関わることもないでしょうね。企業内診断士が、会社の組織の中で調整役(補助金の情報収集とプロジェクト進行)でかかわるといったイメージを想定しています。3000億円の予算規模があるようですが、30億円(事業費用の最低金額)の投資余力があるところとなると対象が絞り込まれるので、相当規模の会社です。補助金下限が10億円という事業なので、最大でも300社ですからね。

モノマテリアル、半導体関連、グリーンテックの蓄電池、生成AIなどの事業がこれで成長してくれる嬉しいです。政権交代以降、防衛費の増額などの話しが出ているのでドローン技術の軍需転換とか防衛産業の輸出が対象事業なのかとも予想されます。
私がスタートアップで支援しているようなところでも10億円の投資となると自力では難しいので、関わることはないかなと思っています。

価格交渉の強化|下請Gメン(取引Gメン)の動き

今年は、大手家電小売業、洋菓子店など「下請Gメン」のニュースが結構ありましたが、約8億円の予算が増えています。下請法から取適法へ名前が変更されて、ますます摘発が厳しくなることが予想されます。大手は防衛的に動き始めています。契約書のとりまとめ(契約しているので不利益契約ではないといった予防策)大手と取引している中小企業は、不利益契約にならないよう新法の判断を加えるなど弁護士などから情報収集しておきたいところです。

予算増額されていますので、相当数の大企業への調査が継続するでしょう。こういった事業は、名前が通っている企業のほうがインパクトはありますので、有名企業の名前が出るのは普通のことです。

法律の名前が下請法ではなく、取適法になるのですが下請Gメンも2026年1月1日から取引Gメンに変わるようです。

まとめ

物価高騰、インバウンドの需要は揺れ幅が大きいこと、少子化対策、不安定な海外情勢などの中では、正解はありませんので、成長戦略を描き変革を続ける事業姿勢が必要になってきます。

さらに金利がある世界となり、投資回収がますます難しくなってきます。キャッシュを確保しつつ、金利以上の投資回収をするというのは簡単なことではありませんので、数値計画とビジネスモデルをセットで考えて実行する組織体制が経営者に求められますね。

バラマキ的と言われた予算編成からメリハリがついていると思います。私は苦手ですが、こういうときは追い風を捉えるTailwind戦略ですよね。