フロアゾーニングとは?
ゾーニングレイアウトで売場のおおまかな商品群を決めるものです。主通路をどう取るか、壁面沿いにどういう商品群を配置するのかという売場構成を決めていきます。
新店の時にしっかりとゾーニングレイアウトは考えるのですが、小売業は商圏の特性で影響を受けます。10年間その場所で商売をやっていれば、10年分周辺の人口も年齢を重ねている可能性が高いです。地域には新しい人が転入出することもありますのでこういった商圏の考慮して適切なフロアゾーニングになっているか点検し、場合によっては店内改装(店内ゾーン)を考えます。
時々、店内改装のため店休になるのは、こういったことが行なわれているからでもあります。
フロアゾーニングの定石
フロアゾーニングを考える際の定石は、2つあり①動線長の最大化、②効果的な刺激の提示及び配置です。
①動線長の最大化
客単価は動線(お客さんが店内を回遊する距離)が長く、滞在時間が長ければ買い物も増えるという仮説で、下記のような式で表されます。その為、「店内をどれだけ歩いてもらえるか?」を命題にして、商品部類をどうするか(どこに配置し、陳列するか)などを検討していきます。店内演出(POP)などで”立寄”を増やすことができますが、フロアゾーニングは商品群などで自然な流れになるように考えることが主眼です。
売上 = 客単価 × 客数
客数 = 買上個数 × 商品単価
↓
買上個数 ➾( 動線長×立寄率×買上率)
立寄率=売場立寄回数÷売場通過人数(例)
棚の前に立ち寄ることを指しています。計測の仕方は店に入ったお客さんを同意を得て観測させてもらい、売場の前で立ち止まることを”立寄”と捉えます。”売場立寄回数÷客動線”で示すこともあります。
立ち寄った売場で見てもらいカゴに入れた回数などをカウントします。通行量の調査と観察による方法が取られますが、時間もかかります。POSのデータで売上カウントた点数はわかりますが、POSで購入件数を求める際は、”まとめ買い”があるので、レジ枚数=人数として把握しているようです。しっかりとして計算式がネットにはないですね。定番として取り上げられている買上率は見たことがないです。POSを組み合わせたほうが正確な数値は見れるとおもいます。
フロアゾーニングを考えるのは、店舗の売場レイアウトごとに優位置と劣位置が発生するからです。優位置には、誰もが通るので、売れるものを配置し店の特徴を伝えたいですし、劣位置でも品ぞろえや回遊性を持たせることで、商品を探しながら買い物をしてもらう工夫ができるからです。逆に何もしなければ主導線のみで、他のフロアの効率が下がってしまいます。
右のような動線の店舗では、店舗中央にマグネットになるようなものを配置し店内に誘導したいところです。
また、フロアゾーニング全体は一般的な購買順序などによって自然と買い物が進む形にしたいものです。
生鮮食品→日配品→加工食品→菓子・調味料→日用雑貨といった具合に買い物は習慣性的なものもあるので多くの人が違和感なく買い物できる順序を考慮してフロアゾーニングのを決めていきます。
この段階では、店舗レイアウトに大まかな商品群別の割合なども決めて解像度の荒いゾーニングが完成します。それには、外部資料として商圏内の競合や人口動態などの環境分析資料に加え、内部基礎資料として買上率、立寄率など検討資料と合わせて検討しています。
フロアゾーニングは考え始めると深みにはまりますが、顧客のニーズを想定し定石を踏まえて試行錯誤を継続することが求められますね。
②効果的な刺激の提示及び配置
動線長は長くとることが定石ですが、無制限に長くすることができません。歩き回ると疲れてしまうのと店内での情報が多すぎると顧客が情報処理ができなくなると言われています。多くの店舗でストアコンセプトが定義されていますので、インストプロモーションの手法を活用しながら適切な情報量で動線に配置します。
関東の格安スーパーでは、店内看板などが排除されている店舗もありますが、あれはコストダウンの方策の一つとして実施されていると言われています。
ゾーニングだけだけでもお店の個性がでますね。
フロアゾーニング(売場を商品群別に分ける)⇒フロアレイアウト(商品群の配置決め)⇒シェルフマネジメント(品目別棚計画)⇒フェイシング(品目別単品構成)といった順番で配置がきまり商品計画の具体的な数値を計算することができるようになります。