バイヤーの仕事内容を現場視点で解説!バイヤーとしての副業や独立も考察

マーチャンダイジング

バイヤーの業務とは?

バイヤーさん

小売店舗の売場を改善するバイヤーのイメージ

バイヤーさんと話はとても面白いです。バイヤーをやっていた人を知っていますが、幅広い知識や経験が多いからか面白い方が多いですね。傍から見ている感想にすぎませんが、仕事に自信とやりがいを持って取り組んでいるからかとてもかっこいい仕事だと思います。真剣に仕事に取り組んでいらっしゃる方はみんなかっこいいですけどね。小売業では店舗スタッフがあこがれる仕事の一つです。

システムで関わりながらバイヤーさんが何をやっているかというと、仕入先から商品を購入する業務という理解でしたが、いろいろと責任も大きいし大変な仕事のようです。教科書的には以下のようなことが書かれています。専門分野では経理部の人と話すことが多かったのですが、たまに話す商品系の人はどの人も構成的だった印象があります。

商品の選定

バイヤーの仕事としては、店頭に置く商品の選定が一番に思い浮かぶでしょう。Buyerですものね。仕入先からの提案商品、新発売の商品、話題の商品のみならず。競合店調査などもしながら売場をイメージして商品構成を考えます。店舗レイアウトは限界がありますので、新商品を入れると外さないといけない商品も出てきます。リピートしてくれる顧客が気に入っている商品がなくなると来店しなくなる可能性だってあるので大変です。選定基準はABC分析などを使って評価するのですが、数字だけでなく競合や他の商品とのバランスで考えて商品を決めていきます。情報への感度もあり、冷静な判断力といったことが問われるものと思います。
また将来的な商品育成ということもしているのでいろんな情報に関心をもっていらっしゃいます。具体的にいうとブランド名に詳しかったり、生鮮ですと産地ごとの美味しいものをしっていたりとかですね。

仕入先の決定

仕入先と商品価格、販売促進の条件などを交渉します。仕入条件は会社で決められた方針はあるとおもいます。商品は方針により公平に選ばれるのが基本ですが、ルールはまとめるのは結構苦労した覚えがあります。システム化するのが難しく業界特有というか会社独自の考え方があります。安定して供給できるのか、食品安全基準を満たしている工場なのかなど視察するケースもありますね。

購入数量、購入頻度と時期などの仕入条件の確定

購入数量、購入頻度、時期は商品計画の作業の中でも大変な仕事ではないかと思います。戦略でいうとロジスティックというか兵站です。年間の仕入れ数量は店舗の計画、会社の計画と連動し、それぞれの売場の棚割りと商品そのものの回転数などと一緒に考えて割り当てます。商品の調達が速すぎれば在庫を抱えることになりますし、商品の配置が遅れれば機会ロスに繋がりますし、そもそも棚に商品がないということは店の魅力にも関わります。仕入れ条件は詳細に決められており、仕入先さんも納品ができない場合が怖いので契約書などで書面に落としているのが一般的です。

ロジスティックの計画「生産地・工場からの物流の計画と決定」

あとはロジスティック計画、これもバイヤーの仕事なのかと驚いたものの一つです。物流センターなどで効率的な店舗の受け入れを実現するのもバイヤーというか商品部の仕事ということのようです。仕入れ先が分かれて、その数が増えると納品トラックだけで店舗の周辺に渋滞ができてしまいますので物流センターで集め出荷、店舗配送をまとめて行うことがあります。物流センターは自社の物流センターの場合もあれば、物流大手がもっているケースもあったりします。いまはどの店舗に何をいつ、何個納品するか決まればほぼ自動でピッキング(必要な商品をピックアップすること)ができてしまいます。なのでバイヤーがピッキングするということはないのですが、物流センターの計画や運営はバイヤーさんが確実に関わっていらっしゃいます。

受発注システムの決定、商品マスター登録

商品関係のシステムの要件定義はバイヤーさんが行ないます。システムの要件定義をするためにヒアリングするのもバイヤーさんですし、最終的に仕様書のチェックなどをしてくれるのもバイヤーさんです。昔はシステムの企画までバイヤーさんがやっていた時代もあります。商品関係のシステムはバイヤーさんがオーナーなのでマスター登録であったり実際のユーザーさんでもあります。

販売計画の作成と伝達

販売計画は店舗も関わりますが、バイヤーの仕事でもあります。ここがマトリックス組織といわれる理由です。売価、仕入原価、利益率、販売予定数、陳列場所、プライスカード、POPの提供方法、チラシ、店内訴求資材などを計画し、店舗へ伝えて指導していきます。インストアプロモーションは店舗裁量と私は思っていたのですが、棚割りなどは本部のバイヤーが決めているケースが多いです。店舗はアルバイトスタッフの方も多いので品出しなどを中心業務にすることで効率化を図っています。

店頭実績のデータ収集と改善

店舗のモニタリングですね。店長も気にしているのですが、店長は人件費予算なども持たされているので商品販売計画はバイヤーさんの責任範囲になっています。商品がしっかりと届かないと売上もとどかなくなるので、そういった理由からだと思います。

在庫管理チェック

日々の在庫をチェックして売れ残りがないようにコントロールします。店舗も破損が無いようにしたり適正な発注量をコントロールすることで責任となりますので、売れ残りがないように店舗スタッフと互いに協力しながら適正なコントロールを目指していきます。売れ残りは結構な頻度で発生します。商品そのものの売り込みがまずかったのか、販売計画の時期の問題なのか、キャンペーンのタイミングの問題なのかそもそも適正な数量だったのかなど検証し翌年に役立てていきます。責任を擦り付けるのではなく、協力関係の構築が大事なポイントと思います。

情報収集

店舗の部門との情報交換もバイヤーさんの仕事です。数値の裏付けをとりながらターゲット顧客への印象などを聞いていきます。場合によっては店舗オペレーションの改善などもお店側に協力を得ないといけないことも多いので協力してもらえる人間関係作りが求められます。最近では、食品偽装などのコンプライアンスの問題で信用を大きく落とすケースもありますので、そういったネガティブ情報にも目を光らせつつ、基本はお客様が楽しく買い物してくれるために店舗のスタッフからの意見に耳を傾けることもやっています。

バイヤーさんの独立の可能性(起業している?)

中小企業診断士の中にももとバイヤーでしたという人もいます。多くはマーケティングの分野で活躍されていますが、システム関係の人もいらっしゃいます。資格だけでなく、プロのバイヤーさんがいるのかということなのですが、企業と契約してプロとしてやっているバイヤーさんもいますね。人員不足でスケットとして契約している人もいれば、品揃えによる店舗の魅力アップをするために雇用される方ですね。店舗の魅力を向上させる商品計画は難しい仕事とおもいますが、最終的にはPDCAをしっかり回して魅力あるお店にしていくことができるのですごい能力ですね。

他にはセレクトショップ的に店舗を持つ人もいるし、大学で先生業をしている人もいます。

いまではECサイトなどで誰でもが商売ができるようになったのですが、顧客が求めるものというより自分が売れるものを置いている店舗も多いと思います。そんな中で、こういった顧客にはこんな商品が向いているとあわせに行くことができる能力はとても大事なスキルと思います。

バイヤーの仕事は多岐にわたります。経験知的に蓄積されるものも多いですが、学習参考書もあり他店でも再現性のある仕事ができればキャリアパスの一つになるようですね。