重点商品・主力商品・育成商品の違いとは?

マーチャンダイジング

「重点商品」「主力商品」「育成商品」の違い

スーパーマーケットの整然とした主力商品の陳列棚

主力商品が整然と陳列された売場のイメージ。顧客が手に取りやすく、安定した売上を支える配置

「重点商品」「主力商品」「育成商品」は、どれも品揃えに欠かせないキーワードです。しかし、特に「重点商品」と「主力商品」は現場で混同されやすく、販促や補充業務に影響が出ることもあります。この記事では、それぞれの違いと役割、そして売場でどう活かすかを整理します。

「重点商品」:主力商品や育成商品を含み、年間・月次で販促を強化する対象商品です。部門の魅力や構成力に繋がるような「核」となる商品が割り当てられます。

「主力商品」:店舗やお客様にとっても重要な商品で、売上高や利益に影響する為、販売計画を組み立てるうえで重要な商品です。店舗の売上・利益の“屋台骨”です。特に以下のような特徴をもつ商品が主力とされます。

 

<主力商品の特徴>
イ:部門内での売上高が高い、売上高上位商品
ロ:部門の売上高及び荒利益高の70%~75%を占める商品
ハ:自部門が得意とし、特徴化に繋がる商品
ニ:商品の占有率が高い商品
ホ:顧客の購買頻度が高い

上記はABC分析で部門の商品群を選ぶものであり、データ分析をしながら進めるのが基本です。ただバイヤーさんとしては商圏ニーズの変化を品揃えを修正し、自分がおもったとおりに主力が貢献してくれると嬉しいものです。人によっては監督になったみたいな喜びがあるようです。なので、うまくいっている店舗では「これ稼がせてくれるんよね。」と部門長さんが嬉しそうに言ってくれます。

「育成商品」:役割はいろいろですが、店舗の特徴化に使いたい商品(提案品)、売上と利益を補完する役割があります。主力商品が顕在化している顧客のニーズに対応するものであるのに対して、潜在需要を刺激するものです。

<育成商品の特徴>
イ:主力に比べると売上は低い商品
ロ:値入は比較的高い商品
ハ:競合があまり取り扱わないもの(⇒特徴化)
ニ:商品政策を反映した商品であり、特徴がわかり易い商品
ホ:購買頻度は低め
好きなXXはあの店には必ずあるよねというのは「主力商品」が担います。在庫もあり、売場も迷いません。一方、育成商品は成長が期待される商品ですね。顧客への提案として使っているところもあるとおもいますが時代とともに顧客の要望がかわりますので、調査しながらとなりますね。年配の人の世代が増えてくる予兆があれば徐々に品揃えを変えていき最終的には主力になることもあります。
「重点商品」は、主力や育成の一部から戦略的に“選ばれる”商品です。例えば、重点育成商品(新商品+プロモーション対象)や重点主力商品(定番品の集中強化)などもあります。メーカーとの協調に基づいて決定されることもあり、現場とギャップが生まれないよう注意が必要です。

売場のオペレーションの勘所

  • 共通認識を持つことが第一歩
    → 重点・主力・育成、それぞれの狙いを共有しておくことで、補充や在庫管理がスムーズになります。

  • データ分析+現場の声でPDCAを回す
    → 重点商品は変動的です。データをもとに見直しつつ、経験値のあるスタッフやバイヤーの“肌感覚”も活かしましょう。

  • 地域特性とネットとの差別化も意識
    → チェーンオペレーションの統一も大切ですが、現場で顧客の声を拾い、ニーズに応じた柔軟な品揃えが今後ますます重要になります。

とても基本的な流通用語ですが、意識して使うとこれだけでも売場改善のヒントがありそうです。