フロア・マネジメントに求められる役割 素朴な疑問?良い売場とは?

相談事例

 小売業におけるフロア・マネジメントとは?

フロア・マネジメントは、店舗全体の売場、つまりフロアレイアウトを対象に、商品スペースや陳列位置を調整し、わかりやすく見やすい売場を作り、売上や利益の最大化を目指すものです。 私のイメージでは、フロア・マネジメントは複数の「レイヤー」(層)が重なり合う構造として捉えています。

フロアマネジメント

小売店のフロアマネジメント

・店舗レイアウト設計:物理的なフロアのイメージです。広さを規定したり入口の場所などで動線をコントロールします。
・フロアゾーニング:店舗の大まかな商品位置を決めます。客動線の中で買い物のしやすさを演出します。
・フロアレイアウト:ゾーニングとも似ていますが、視認性を高めるための売場位置を決めます。
・シェルマネジメント:品目別にどの棚にどんなものが置かれるか、決めるものです。
・フェイシング:シェルマネジメントとセットで手に取ってもらえるための配置です。
・インストプロモーション:購買意欲を喚起したり注意を惹くための施策をいいます。

良い売場とは?

チラシやPOPだけでは売上は上がりませんし、動線が適切でも店頭陳列が不十分では売上に結びつきません。それぞれは個別に検討されますが、上位・下位のレイヤーとの関係性を考慮しながら計画されることが重要です。

最下層のレイヤーは店舗フロアの設計に関わるもので、出入口やレジの位置、冷蔵庫の配置(電源工事)、バックヤードの配置など、従業員の作業効率まで考慮した建物設計が含まれます。ここはゾーニングやフェイシングのレイヤーとも密接に関連しており、大まかな店舗のイメージが形成されます。建築段階では、実行設計として工事用の図面が作成されます。 店舗設計の方針が固まると、次に顧客動線を考慮しながら、各部門の配置が決まります。商品計画と調整を行いながら、商品分類ごとの棚の設置(フロアレイアウト)が決められ、棚割りに落とし込まれて、具体的な品目配置が確定します。 上位層では、商品数の決定に基づき、売上予測や発注計画、販促計画、人員計画などが進行します。これらは会計・商品勘定の両面から検討され、フロア・マネジメントの最終形が形作られます。

フロアレイアウトの変更について

フロアレイアウトは、年間や季節ごとに微調整が行われるものの、大きな変更は中長期的視点でのみ行われることが多いです。特に新店舗のオープンやリニューアルオープンが、そのタイミングとなります。周辺の環境に合わせて調整が必要になるからのようです。 フロア・マネジメントの重要性とは? フロア・マネジメントは、フロアゾーニングやフェイシング、インストアプロモーションといった全体をイメージしています。これは、ECサイトとの競争における大きなアドバンテージでもあります。

また、ECサイトを運営する店舗にとっては、売場とインターネットの融合も今後ますます重要になるでしょう。 フロアゾーニングやフェイシングに関する詳細は、別の記事でご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしていただければ幸いです。