会社員のスキルを副業・兼業に活かす(内閣府プロフェッショナル人材事業)

相談事例
びい
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ねこの手も借りたい中小企業ってあるかにゃ?

1.内閣府プロフェッショナル人材事業

私は、兵庫県の支援機関と大阪の支援機関で経営相談をさせていただいています。どちらも大きな都市で、中小企業とはいっても大きな会社はいっぱいあります。兵庫や大阪に関わらず各都市には、あまりしられたいないけど、産業の根幹になるようなことをやっている企業はいっぱいあります。テレビなどでの経済ニュースなどで取り上げられているネタは、ほんと一部なんだなと思います。

ただし、中小企業ならではの課題はあるようです。(中小企業だからというより、実直に経営にとりくんでいるからこそ、課題意識をもっているといったほうがいいかもしれません。)課題は、マーケティング、生産管理、システム導入、人材採用、営業不足など多種多様です。

共通していることは、人手不足であること。

タイトルに書いた内閣府プロフェッショナル人材事業は、中小企業にとっては「大企業のノウハウをうまく活用して経営課題を解決しませんか?」という事業です。また、ノウハウを提供する方にとってみれば、「大企業のノウハウを中小企業で活かしてみませんか?」という事業です。在宅ワークなどで手伝えるようですので、副業ができる会社にいる方には、自分のスキルを活かせるチャンスです。しかも、地元の会社のお手伝いなどは、地元の魅力も発見できるし、懐かしい人に再開したり、新しい人脈も生まれそうです。

大阪の事例ですと、「サンカク」さんという会社が事業を受託し、応募できそうな仕事を公開してくれています。具体的な事例はリンク先を確認してください。(参照)

現時点(2022年9月段階)で、リストを見ると”営業企画”や”戦略立案”など組織的な取り組み、”人材採用戦略”など部長・課長といったクラス、もしくは幹部候補の方なら携わったことがありそうな仕事の募集がありました。

<応募者側のメリット>
①在宅ワークで副業が可能
・・・報酬は受け入れ企業側によりまちまちです。
②会社以外の人脈の獲得
・・・地元企業の応援、移住計画などがある方は、その土地に住んでいる方との人脈獲得に繋がります。
③スキルの研鑽
・・・会社で一生懸命やってきた仕事を切り出すことで、プロフェッショナルの仕事として、他社で使えるスキルにすることができるチャンスです。

<募集企業側のメリット>
①採用費用がかからない
・・・行政仕事ですので、人材紹介会社の広告出稿などが無料、もしくは格安でできます。
②課題に対する最適人材の提案
・・・経営課題からヒアリングし、必要な人材像のイメージと仕事内容を切り出すアドバイスを受けられます。

行政が事業を受託しているので、安心して利用できることは、両者にとってものメリットですね。

2.内閣府プロフェッショナル事業はジョブ型?

前段の後半に、サンカクさんの例を参考に募集中の仕事を少しだけ紹介しました。仕事の傾向としては、要求される業務がはっきりしています。その為、興味のある方は、ジョブ型を意識して自分のスキルを棚卸するといいでしょう。この事業の他の特徴としては、期間で契約になっていることです。いわゆる「準委任契約」(※)で契約してお仕事をします。
※「準委任契約」・・・特定業務の遂行目的に契約して、成果物の完成義務のないものです。

このジョブ型は日本ではあまり馴染みがありません。日本はメンバシップ型雇用といって、組織にいたらいろんな仕事をする終身雇用の形態がほとんどだからです。
組織の中でやってきた仕事で”一番得意だったもの”、”評価されたもの”、”好きだったもの”などをスキルとして抽出すると良いと思います。「業務経歴書」でもいいのですが、上司に評価されたとか、やってて楽しかったことなどが掘起こでけいるといいですね。プロフェッショナル人材に、残念ながら募集する仕事がないかもしれません。その場合は、サイトを見ながら募集内容に近しい仕事でスキルを磨いていくと、副業でも活躍できる方になれるでしょう。
部長職以上になると管理職というポストで仕事をする方がいます。いわゆる経営層ですね。戦略的思考、助言、組織運営など業務が抽象化しますが、そういった仕事も中にはあるようです。

3.プロフェッショナル人材でスキルの市場価値を確認する

(1)一極集中はなぜ生まれたのか?
大都市に大学が集中していることが原因として挙げられます。関西圏でも優秀な学生は多いのですが、皆さん関東の会社に就職しちゃうんですよね。この傾向は、いまに始まったばかりでなく、長い年月をかけてこうなったので国がいくら地元就職だと旗を振っても考え直す人は少ないです。特に兵庫県は、阪神大震災の影響も大きいと言われています。箱根駅伝、6大学野球など学生スポーツも盛んで充実した学生生活が送れそうです。

少しずつ価値感が変わって、地元回帰もみられますが、市役所などの行政機関や地元の地銀といった就職先以外は、学生にとって待遇面などで魅力的に映らないのかもしれません。良い会社でも人材採用をしても教育育成まで手が回るところも中々ないのが実情です。

こうしていろんなことが積み重なって、いまの一極集中が出来上がってしまったんでしょうね。

(2)スキルの市場価値を確認
プロフェッショナル人材では、一極集中を是正し、大企業に集中してしまった人材を地元に戻す効果が期待されています。(カーブアウト)私は、中小企業診断士として働いて、起業のサポートをしています。中には、会社員の時の仕事で起業する方もあります。多くは、システムやWEB系の方ですが、マーケティングの専門家もいます。
独立希望の会社員の方と話をすると、「スキル不足」を懸念される方が多いです。資格取得をめざすことが多いですね。(私もその一人です。)
でもスキル不足が原因でなく、評価される場所がわからないということのほうが多いです。会社という組織の中では当たり前のことかもしれませんが、場所を変えれば評価される仕事はあるはずです。逆に資格は、難しいわりにとってもすぐに仕事が来るわけではありません。中小企業診断士の仕事はほんと探すのに苦労しました。

マーケティング戦略でいうと、ターゲットどこにいるかわかっていない状態です。

自分のスキルが評価される場所とタイミングを、社外で知ることが最大のメリットかもしれません。
まずは、機会を見て「プロフェッショナル人材」の募集に応募してはいかがでしょうか?地元の起業でも募集はやっています。ターゲット層が見えてきたら勝ちですね!

内閣府のホームページに、各都道府県ごとの拠点が紹介されています。各拠点のページで仕事を検索してみてはいかがでしょうか?
起業ではない副業の方法についてご紹介しました。

それではまた!