令和7年度 補助金の動向(概算要求から予測する)-補助金バブルの終焉-

相談事例

令和7年度の中小企業庁の予算案

8月末に中小企業庁のホームページに令和6年度補正予算・令和7年度当初予算の発表がありました。いつもこの時期ですね。前年もチェックしていますが、今年も内容を確認しています。あくまで概算予算要求なので、これからですね。

中小企業対策費令和6年度令和7年度(要求)
1,082億円1,300億円

小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業者持続化補助金、IT導入補助金の予算の積み増しはなさそうですね。コロナで拡大気味だった補助金もほんと終わりそうですね。気になったのは①中小企業生産性革命推進事業、②中小企業省力化投資補助制度のところです。

①中小企業生産性革命推進事業は原資の取り崩し的記述がある

■中小企業生産性革命推進事業【2,000億円(令和5年度補正)】
※ものづくり補助金・IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金・事業承継引継ぎ補助金
事業再構築補助金【既存基金の内数】 となっているので2000億円はあるものの、「使い切ったらおわります。」という内容ではないでしょうか。

②中小企業省力化投資補助制度にとって代わる

今年になってから説明会も多く開催されていますね。これについては、概算請求に以下のように書かれています。

中小企業省力化投資補助制度【1,000億円(令和5年度補正) 】(既存基金の活用等含め総額5,000億円規模。事業再構築補助事業を再編)
人手不足に悩む中小企業等のため、省力化投資に関して、カタログから選ぶような汎用製品の導入への簡易で即効性ある支援を新設

こちらも事業再構築は無くなっていく印象が否めません。言葉だけ残した感じがあるので来年の予算請求にはもうないかもしれません。昨年もそうでしたが、この予算請求が終わった後から補助金の不正のニュースが取り沙汰されます。特に今年はIT導入補助金で不正が見つかって氷山の一角ではないかともいわれ、これからもっと数が出てきそうです。

傾向としては、補助金の新しい募集はなく、あっても年に持続化補助金の募集が1回ぐらい行なわれる程度に落ち着くのかなと思います。コロナの時はすごい勢いで補助金額が積みあがりましたが、小規模事業者持続化補助金が出始めた時は、年に1回程度の募集だったのでいままでが変だったとおもいます。今後の流れとしては、雇用を生み出す中堅企業への支援が中心になると見込まれます。中小企業省力化投資には、5軸の切削加工機がカタログに載っていましたし、補助率はひくくなりましたがこちらでモノづくり企業は支援できますしね。

小規模事業者は中堅どころに人を奪われ採用も厳しくなることが予想されます。

一方、融資だけは、”中小企業資金繰り支援事業【230億円(192億円)】”と同額で残そうとしているんです。金利上昇分を見込んでいるのか増額されています。これは日本政策金融公庫からの融資における金利を引下げるための利子補給や信用保証制度等を通じた資金繰り支援なので、資金繰りについてはきっちり計画書を立てることができれば回していけるのかなとおもいます。

いずれにせよ。補助金はないので、価格転嫁の作業やキャッシュの確保をしっかりと取り組みたいところです。補助金があれば、持ち出しは少なくできたかもしれませんが、事業計画を立てて借入を受けて事業を進めても事業は伸びます。

 

まずは計画ありきですね。