商品計画の進め方 ②フロアレイアウト、シェルフマネジメント、フェイシング 「商品の配置」

マーチャンダイジング

フロアレイアウトとは?

前回のブログでフロアゾーニングをまとめました。フロアゾーニングが決まると、具体的な商品群の配置を検討していきます。商品配置と棚の設置場所、棚の種類などが決まっていきます。フロアゾーニングで決めたエリア内に、商品群を割り当てつつ、棚や什器の種類を決定していきます。冷凍食品や日配品などは、設備が異なるため、

タイプ別レイアウト基本方針

大まかな配置が決まってきます。ただし、シェルフマネジメント(棚割り)はこの後の工程です。

フロアゾーニングは、回遊性を考慮しスムーズな買い物行動がとれることが重視されているのですが、フロアレイアウトは、顧客の動線を考慮しつつ、視認性を確保することを目的としています。商品同士の関連性、お客さんの自然な購買行動を検討しながら行います。

視認性や買い物のしやすさは、店舗のレイアウトによりお客さんの購買行動が違うので、フロアのタイプごとに考慮するポイントが違ってきます。

タイプ別フロアレイアウトの基本方針

最近はいろんなタイプのフロアレイアウトが増えているのですが、2つの基本形(ワンウェイ方式、ツーウェイ方式)をもとにお客さんの買い物がどうなるか考えてみましょう。

ワンウェイ方式:
入口が一つで、顧客が入店後、広い主動線に沿って買い物を進めていく形式です。多くの顧客が主動線を通るため、特定の商品を目立たせやすい特徴があります。動線をコントロールしやすい印象がありますがワンパターンになります。入口の反対側に顧客が回遊し、棚の中に入り込むと動線長が広くなります。主要品目を主動線にレイアウトするとともに、中央にどのように誘導するかが課題です。

ツーウェイ方式:
入口が二つあり、顧客が自分のスタイルで回遊するような買い物行動がとられます。生活スタイル○○といったことを謳うお店には多いですね。コントロールしにくいので、非計画購買への動機づけが難しことも考えられます。

(ワンウェイ方式)(ツーウェイ方式)
方針主動線計画通りに反対方向まで顧客を
誘導する
顧客が自分の買い物パターンに合わせて
自由に回遊する
課題反対通路までの誘導パワーカテゴリーを分散して回遊して
もらう

ワンウェイ方式

ツゥーウエイ方式

入口が二つあり回遊しながら買い物をする

(参考:インストアマーチャンダイジング 公益財団法人流通経済研究所)

フロアレイアウトを考えるとパワーカテゴリーやマグネットポイントをどのように配置するかが、重要な観点となります。この場合、商品分類なども参考にフロアレイアウトやシェルフマネジメントを検討することになります。

パワーカテゴリーは、集客のキーになるものです。購買頻度も高く計画購買される商品群です。

シェルフマネジメントとフェイシング

フロアゾーニングとフロアレイアウトが決まると、シェルフマネジメント(棚割り)が行われます。
シェルフマネジメントでは、カテゴリーごとにどれぐらいのスペースを割くかを計画しながら、商品陳列の位置を決めていきます。
部門別や品目別に売上の推移、在庫の回転率などを参考にするので実際の数値計画がシビアになってきます。商品計画は店舗の年度計画とも関係するので計画達成のためにシステム化されています。(棚割りから部門別の商品と計画が連動してい仕組みが既にあります。)
フェイシングでは、単品ごとのフェイス数を割り当てていきます。基本的には購買頻度の高い商品のフェイス数を多くします。これにより補充頻度も下がるので効率的に店舗運営が期待できます。一方で、同じ商品しか見えないと購買者の選んでいるという満足感が薄れ、売場の魅力は下がってしまう為バランスは大事です。格安店などは、安い商品の種類を増やせないからか単一商品が陳列されているケースが多いです。大型店だと種類は多くなりますが、それも一部の業態だけです。このあたりも店舗のコンセプト(だれに、なにを、どのように)と関わってきます。
まとめるとシェルフマネジメントは、どこにどれだけのスぺースで陳列するかを決定し、フェイシングはその棚における各商品の数を決めます。これらをうまく組み合わせて、視認性を高め、売り場の効率を向上させています。どこに何を置くのかを検討することで計画が数値化されていきます。52週間分で作成するのが一般的です。商品数が多いと気が遠くなりそうですね。小売の現場は普段あまり気が付きにくいのですが、少しずつ商品の入れ替わりが行なわれています。また、ストアコンセプトも見えてくるので面白いものです。
https://tane-bi.net/archives/2891