売買差益を使った売場の進捗管理

マーチャンダイジング

売買差益は進捗管理に使う

売買差益は単純な計算方法なので、簡単に利益の達成度合いを把握するのに便利なので、例えば、以下のようなシーンで活用されます。

①予算達成に必要な仕入予算の把握
②売上予算と差益予算を達成した場合の荒利高(荒利の達成見込み)

小売は仕入が発生しないと売上がたたないので、残りの期間でどれぐらい仕入れるのかがとても大事です。また、店舗の利益目標などもありますのでこんな売買差益を確認しながら目標達成に向けてオペレーションを考えるといったところです。いわばスピードメーターみたいなものですね。①だと月の途中で、売上の目標に対してどれだけ売上が必要で、その為に残りの日数で、どれだけ仕入の必要があるか、どんなアクションをとっていくのか計算するものです。②は荒利目標達成の見込みを把握することで、月末に向けたアクションを検討するのに役立ちます。

計算事例とともに確認してみましょう。

<<計算事例>>
売上予算  :\95,000-
差益率目標 :32.0%
営業日数  :31日
月初在庫高 :\65,000-
月末在庫高(予算):\60,000-

売買差益を使って売上予算達成のための仕入高を計算する

事例ですと、1月20日時点でのこり11日営業日があります。売上高予算(\95,000-)には、\34,699-足りません。売上予算にはいくら達成するために仕入は、差益率を使うと簡単に計算できます。

仕入予算合計(※)=売上高予算×(1-差益率)- 仕入累計額
=\95,000-×(1-0.32)-41,632=\22,968-
※残りの営業日でどれだけ仕入れるか?

11日で\22,968-を仕入することで、売上予算は達成が見えてきます。平均で\2,088-なのでこれまで通りの仕入なら売上予算は達成できそうです。このタイミングで、不安があれば\2,500-を超える毎週のキャンペーンのようなものがあるので、次のキャンペーンのタイミングで目標通り売上が達成できているかチェックしたいところです。

月末の荒利の見込みを立てる

売上の達成見込みが立ち、差益予算も順調にいけば、荒利の見込みも立てることができます。

売上原価の見込=
月初原価在庫高(\65,000-)+仕入高※(\64,600)ー 月末在庫予算(\60,000-)
=\69,600-
※仕入高=売上高予算×(1-差益率)

荒利高の見込=
売上予算(\95,000-)- 売上原価(\69,600-)
=\25,400-

現場は多忙なのでこうした数字をチェックするのは大変ですが、資料はいろいろと提供されているので数字をみて売り場を見るとオペレーションも自信をもってできるようになります。使い庫内したものですね。